風邪について
風邪は風邪症候群とも呼ばれ、主にウイルスの感染によって鼻や喉といった上気道に炎症が生じ、それによって様々な症状が現れている状態を指します。現れる症状としては、鼻水、鼻づまり、頭痛、発熱、のどの痛みなどが主なものです。
炎症が気管や気管支、肺などの下気道に至ってしまうと、咳や痰などの症状が現れます。またウイルスが胃腸に感染し、ウイルス性胃腸炎を発症してしまうと、下痢や腹痛の症状が現れる場合もあります。
2歳未満のお子さまに関しては、1年間に平均5~6回、風邪を引くとされています(大人は1年間に2~3回ぐらい)。また保育園に通い始めのころは風邪を引く回数が増加し、落ち着くまでに半年以上かかることも多いです。
以下のような症状がありましたら、風邪が疑われます。
- 鼻水、鼻づまり
- 咳、痰
- 発熱
- 喉の痛み
- 腹痛、下痢
- など
風邪の原因について
風邪の症状は病原体の感染によって引き起こされますが、そのほとんどがウイルスによるものです。風邪の原因となるウイルスの種類は、およそ200に上るとされています。中でも代表的なのがライノウイルスと呼ばれるもので、春と秋に流行することが比較的多く、鼻風邪症状を引き起こします。乳幼児からお子さまにかかりやすく、大人になるにつれかかりにくくなります。
このほか、冬に流行することが多いインフルエンザウイルス、夏を中心に流行するエンテロウイルス、春から秋にかけてみられるパラインフルエンザウイルスなどが風邪の原因となります。このほかRSウイルス、アデノウイルス、コロナウイルスなどがあります。
ウイルスのほか、細菌によって風邪症候群が引き起こされる場合があります。主なものとしては、マイコプラズマがあり、身近に存在している一般細菌も原因となる場合があります。
またA群β溶血連鎖球菌という細菌によって起こる溶連菌感染症も風邪の症状を引き起こします。溶連菌感染症はお子さまに多く、高熱やのどの痛みで発症することが多いです。
風邪の治療について
通常、ウイルスが原因の風邪の治療に関しては、ウイルスに関する薬はインフルエンザなど極わずかですので、水分や栄養を十分に摂り、安静にしておくことが基本となります。多くの場合、数日で症状は改善していきますが、約半数のお子さまは鼻水の症状が10日以上続き、3週間以上続く場合も約2割あると言われています。喉の痛みや食欲不振、発熱などの症状は、多くの場合1週間ほどで消失するとされています。この間、発熱や喉の痛みなどの症状が辛い場合は、対症療法として解熱鎮痛剤を用いる場合があります。
溶連菌など、細菌が原因の風邪症候群に関しては、抗菌薬による治療を検討します。高熱が続く、痰や鼻水に膿のようなものが混じっている、扁桃が腫れているといった場合は、細菌の感染が疑われます。その場合、喉の分泌物の検査や血液検査などを行って、診断を確定します。抗菌薬を処方されたら、必ず医師の指示に従って服用することが重要です。